ニュージーランドの梟、Moreporkの調査に同行した。NZでは先週末は標高の高い場所でヘビースノー警告が出たりして、調査ができるかどうかわからなかったけど、クライストチャーチから峠を超えた西側は雪もなかったし、晴天だった。
梟なのでもちろん夜の森の中に入る調査だった。一日目は二人一組で森に入ったけど、二日目は人手不足で一人で森に入ることになった。PhDをやっているときに森から空気を採取するときにどうしても夜中に行くという作業を1年間続けたことがあるが、その森は自動車で入れる場所であまり樹の生えている密度も高くなかった。が、今回は梟のすむ森、もちろん深い森でなくては梟ちゃんは住むことができない。そんな森をしかも歩いて調査をしないといけない場所だった。

結果は美しい土ボタル(Glow worm)の光でさえ恐怖をそそる瞬間があったりしてかなりスリリングな夜の森歩きでした。でも、初めて、“動く”ポッサムが樹に登り、南極ブナの葉っぱを食べているところも見ることができたし、Moreporkそのものを見ることはできなかったけど、Moreporkの声を忙しく数えないといけないほどMoreporkを聞くことができた。もちろん土ボタルも美しかった。

そして、極めつけの顛末は、調査終了後、トラックのスタートポイントに戻ったら、こんな時間(23時頃)に誰もいるはずもない真っ暗な場所から人間と思われる鼻歌と獣が咳払いをするような音が聞こえてきてしまって、かなり恐怖に陥った。私の気配を消そうと思い、森に引き返そうかと思った瞬間に焚き火の火が見えて、どうやら人間がいることが分かり安心したけど、怖い人たちだったら嫌だなーと思い、近寄らないようにしていた。そうしたら、人が一人私の方に近寄ってきて、“何してるの?”と聞いてきた。おそるおそるみるとかわいらしい10台後半くらいの女の子だった。
緊張気味で“えーっと友達が自動車で迎えにくるのを待ってるの”23時、自然保護地域にあるトレッキングコースに超軽装備のアジア人女性、しかもこの時間に“友達が迎えにくる”と言い張っている不審な人間を疑いもせず、焚き火に誘ってくれた。。。そして小一時間程度彼女と焚き火の前でお話をしていたら、迎えがやってきて一安心。でもその女の子賢い子でNZ人なのにあまり奇妙な訛りのないしゃべりをする子だった。ちなみに彼女は16歳でこれまでずっとお母さんに、ホームスクーリングを受けているらしい。。。

とりあえず、獣にも人間にも襲われることもなく(まーNZには元々哺乳類いないし、蛇もいない)、無事に修了しました。ということで非常な体験をして面白かった