サバティカルクライストチャーチにやってきている花の雄しべの形態と動物の相互作用が専門のBarettさんという人がArt Galleryでパブリックレクチャーを行ったので聞きにいった。私の所属する研究所にも来るということだったけれども、より専門的なセミナーになるということだったので、パブリックレクチャーのほうが面白そうだったのでそっちのほうへ行った。

花(というか雄しべ)の形態の進化ということで、19世紀のダーウィンのビーグル号の探検や自宅の庭での実験から始まって、最後は彼の研究室のポスドクが今年出版したNature論文まで時系列にどうつながっているのかという流れがつかめる非常にわかりやすいプレゼンだった。今では世界中の人たちが先駆者のダーウィンなどの精神を受け継いで古典的な問題について手法を変え、材料を変え、脈々と受け継ぎ、この世界のしくみをしるために人間は小さなステップを踏みながらもがいているのだなあと思った。そして、科学をやるにも、その歴史をしることや、時系列を組み込んで考えることがやはり必要だとふと考えた。そうでないと“二度目の車輪の発明”になりかねない。

ダーウィンだって変な論文書いていたりするし、間違った仮説を立てたり、メンデルに負けてたりするんだ、と改めて彼の人間臭さを知ることができたし、改めて面白い仮説を立てることや、具体的でビッグな問題を持ち続けることが研究の動機付けにつながるのだ、と思いだしたのでした。
こうやって、分かりやすく、しかも最前線で現役の研究者である人のレクチャーを聴いて、脳みそがリフレッシュされたのでした。あとはやっぱり花というトピックはやはり人を惹きつけるものがある。

最近は自分の研究を進化や多様性と結びつけることができないかと模索中(というか妄想中)だったのでかなりヒットなレクチャーだったのでした。