ごんどわな

首都Wellingtonに行った。
指導教官と共にNZの放射性/安定同位体を用いて研究をしているCRIや大学のグループが集まって、どこに何のマシンがあって何を測定できるかということを確認し合う会議への参加であった。あとは長期観測データをどのように扱うか、とか共同研究の可能性を探り合うとかいったことを話あう会議だった。共同研究への発展は個人レベルの付き合いのほうが大切だ、ということは何度もドイツにいたときの指導教官に言われていたが本当にそうだと実感している。一緒に美味しいものを食べたり飲んだりしなければアイディアは生まれない。だから足を伸ばして直接話しをしなければ話は進まないのだと。
今回もここの指導教官も会議や学会に参加することは発表をすることが主ではなく雑談とかお茶を飲むだとか一緒にご飯を食べるということのほうが重要だという話を、行く前+飛行機の中+会議中そういう話をされた。欧米人が企画する会議に出ると必ずコーヒータイムが30分〜60分あったり必ずeating outみたいなイベントが組まれている。そして、PhDの学生やポスドクを雇用するときの重要なファクターの一つに人間性やコミュニケーティブであることがクライテリアに入っている。

NZの研究者は外国人の研究者が多いので、海外の研究室とのコネクションが強いし、またNZのシニアリサーチャーは大抵海外でPhDを取得しているか、ポスドクをしている。というのを武器に世界の端っこしかも人口400万という小規模国家で少なくとも自然科学の分野では彼らはかなり頑張っている(と私などに言われたくないだろうけど)。

ということで会議に参加していろいろと考えたし、いろんな人とNZの研究システムや研究費配分などの話をしたけれども、実は私にとって会議は結構どうでも良くて、今回はTe Papaという国立博物館に行くことがメインの目的であった。本屋が結構充実していてかなり時間を費やしそして、散在してしまった。今回の一番の収穫は『Ghost of Gondowana』By George Gibbsであった。NZの生命史を生物地理学的視点で素人にも分かりやすく解説している本であった。私など、ほとんどNZの動物相や植物相について知識がなかったけれどもこれを読んでいかにNZが『面白いか』ということを認識し始めた。室内実験ばかりであまりフィールドへ出かける機会がなかったけれどもやっと気温も上がってきたし、もう一度読み返してフィールドへ出かけようと考えている。
そして、この本を読んでいかにうちの家で飼われている猫“Cookieちゃん”がワルモノか分かってきた。彼女はネイティブ鳥をハンティングする哺乳類なのである(しかもそれを喰わないのである)。