BASIN/SIBAE Tomar, Portugal
オーラルプレゼンテーションは内容が幅広すぎた。半分以上ついていけなかった。

  • Oral Presentation
  • J. Ehleringer

安定同位体データ
→Trace, Record, Source, Integral
として、同位体データを用いて解釈できる。
その安定同位体で抽出されたデータでもって、生態的な変化を追うことは可能だが、生態学的に起こった変化を解釈する際に、時間スケール、空間スケールを正確にマッチさせることが重要。

  • Wingate

森林内の同位体シグナルの季節変化と空間変化について(ガス、樹体内のバルクバイオマス
土壌からの二酸化炭素に主にフォーカス
土壌二酸化炭素の13Cの時間的(フェノロジカル)ばらつきについて
→呼吸の基質依存それとも分別?
デンプンについて、Alison Smithのジャガイモの根の貯留デンプンのデータを用いて少し議論していたが、あまりデンプンについて勉強していなさそうだった。
(彼女の発表は私の研究とかぶるところが多々あった。時間スケールとフォーカスしているコンポーネントが違う。)

デンプンの同位体組成の時間変化について、彼女はデンプン粒をスライスして測定しようとしていると言っていた!
Gleixner がコメント。エンザイマティックな方法で彼女の試みは解決できるだろう。

  • D. Yakir

内水分と葉面と大気表面で起こるガスの交換の解釈に、今まであまり取り上げられていなかった17Oも解釈に取り入れるお話。
植物が関係するプロセスに関するシグナルとして18Oが使われてきた。CO2とO2の18O。
17OはStratosphere とTroposphereのO2(?それとも他の期気体?)の交換が起こっている距離を推定できるツールであった。17O を用いることによって、植物と大気、植生と海洋の交換のプロセスを追えるかも(?)

  • Muegler(MPI)

セディメントのn-alkanの重水素を測定してチベットのNam Co.湖面からの蒸発。
とCを測定して水由来か陸由来を分離
n-alkanのチェーンの長さで陸由来なのか、水由来の植物からなのかが区別できる(陸由来 C:27から31、水由来 C:17から25)→水由来は葉面上にワックスがあまり必要ない。

  • Sauer(PSI)

年輪。ヨーロッパのネットワークで測定
地域ごとの水利用効率を計算→ほぼ全域で水利用効率増加
地域ごとで、その水利用効率の変化をもたらした原因が異なる。Ci/Caで説明。
Matthiasらしい、概念モデルの絵。
水利用効率の増加についてその原因が光合成能力にあるのかそれとも気孔コンダクタンスの変化にあるのか。年輪の13Cと18Oを細かく測定して、そのシグナチャーから貢献度のバランスを議論。

  • Vallano(Cornell)

植物内で固定された(固定される)窒素のお話。
固定された窒素が葉っぱ吸収由来なのか、根っこからのアップテイク由来なのか。室内実験が完了したところ。
これから、大気汚染の研究に適用するらしい。
葉っぱ由来と根っこ由来のセパレーションをするための使っているシンプルマスバランスに基づくモデルを私の実験にも使えないかどうかチェックしなければ(炭素だけど)。

→Ninaとうちの指導教官が激しく批判コメントをしていた。
窒素は難しいなぁ。そしてまた同位体測定精度もよろしくないし。あまりデータを信用できないというのも本音だ。

  • J.White(INSTAAR)

メタンのお話。
1月のNatureメタン論文にも触れる。あまり深くつっこんだコメントはなかったが、懐疑的である様子だった。

  • M. Cunz(ANU)

大気の同位体とトレースガスの長期的な観測とそのコンビネーションのモデル化について。モデルのレビューのお話。
モデルには 1)フォワードアプローチ:モデルで推定された数値と観測値の比較と 2)インバースアプローチ:観測結果からの構築するモデル というタイプがある
1)は、同位体の値の変動についての理解などを仮説を試すことができる。2)は、同位体の観測結果の記述をすることができる。

長期大気同位体モデルは、生態的な変化を定量的に説明できているのかそれとも定性的に説明できているのか?

  • M. Leuenberger (Uni Bern)

とても物理的なお話だったので、ついていけなかった。
でも、大気ガス組成のダイレクトな観測結果とアイスコアから抽出した結果の比較のお話だった、と思う。
15Nを使って温度を推定できる??
‘Revelle factor’??
多分Huber et al. 2006をよまなければならなさそうだ。

  • D. Pataki (UCIrvine)

人間が優先する地域におけるディシィジョンメーキング過程と生物物理過程を組みあわせた学際的研究の可能性。
ユタ周辺の地域の放置された土地周辺とオーガナイズされている土地のエコシステムキーリングプロットの季節変化。放置されたほうが常にCが重い。
ユタ周辺の地域の大気ガスの同位体組成から、そのソースが自動車のガソリン由来か、ナチュラルガス由来か、植生からの呼吸由来なのか貢献度を算出。ガソリンは一年を通してほぼ一定。ナチュラルガスは冬に増加(ヒーティング)。呼吸は夏に増加。
最後は経済的なお話までしていた。地域の人間や政治家、さらに森林管理をする人々などにデシィジョンメイキングも生態系に影響を及ぼす。

私は彼女がIrvineに移ってからの仕事をあまり追っていなかったので新鮮だった。勝手な印象としては、独立した研究室を持ってからは、研究室色を作るために長期的にできる新しい分野を開拓しているという印象を受けた。
社会的経済的な側面も入っているので面白そうだ。頭のいい人にしかできないだろうな。私には無理だ。去年キャンベラに滞在したときにFarquharとお話をしたときも、彼が経済的なことに対して興味を持っているという印象を持った。経済活動における人間の行動というのがどれだけインパクトがあるのか、または人間のその活動がモデル化できて、それをこの地球変動モデルなどに組見込むことができるのか。
でもこのような‘超’学際的研究は一人の天才か、または様々な分野の研究者が本音で腹を割って話さないと達成できないんだろうな。理想世界。

  • C. Kendall

どこの河川域のお話かは逃してしまった。
とにかくどこかの河川域の人的影響と生物地化学的プロセスをトレースするお話。

彼女のCatchment Hydrologyは日本では読者が多いかも。でも私は目次程度しか眺めたことがない。

  • G. Bowen
  • A. Paprocka
  • G. Gleixner
  • N. Buchmann
          • つかれた。またあとで続きを書こう。。。。。+-