フライブルグの近代美術館にて非常に楽しい展覧会をやっているということで、
Cさんと供に行ってみる。

Peter Vogelという昔、物理をやっていた人で、
フライブルグに在住らしい。
現代芸術と聞いていたので、
おそらく、分かりにくい前衛的なモノに違いないとあまり期待せずに行ったのだが、
非常に満足できる展覧会であった。

用途としては新しいコンセプトの“楽器”なのだが、
むき出しになっている電子サーキットやらアンプ、スピーカーが
金属線と供にそれ自体が装飾としてひとつの作品なのだけれども、
温度を感知するセンサーが温度を感知して音が作りだされて、音楽が作られる、
といったステキな作品たちであった。
ほかにも音だけでなくて、発光ダイオードが組みこまれているものがあったり、
羽根やらが回り始めるといった作品が他にもあった。

作品のコンセプトだけでも面白いのに、
インターラクティブな展示会で、センサーに向かって身体を使って演奏する人間を観察することにも楽しめて、
連れのCさんと笑いを必死にこらえていた。



夜は引き続き、Cさんと供にオクラ入りインドカレーを作り、ロティと一緒に食べる。
近所のHさんも呼んで、はじめはおとなしくワインのみでしゃべっていたが、
なぜか、シュナプス(Kirschwasser Alc.48%)などがどこかから出てきて、
そして、このシュナプスのあとにワインを飲むと、
普段は感知されないワインの味を味わうことができるという事実を発見して、
いままで味わっていたワインの味は一体何だったんだ、とちょっと落ち込んだりした。
ソムリエのいう“樽の風味”やらがなんとなく分かったような気になる出来事だった。
おそらくアルコールに強い西洋人はこの深い味わいが普段から理解できているに違いないと思われ、
なんだか、損をしている気分になった。