Larcher

今日は、日本から持ってくるのを忘れた本(植物生態生理学 Walter Larcher)をamazon.deで注文した。英語バージョンで、Springerの出版である。40Euroちょいだったから日本語バージョンとあまり値段は変わらないのでつまらない。
こんな大事な本を持ってくるのをわすれておいて、私はある漫画全シリーズ13巻を手荷物で運んでしまったのである。なんともプロ意識がない。

そういえば、私はドイツに来てから、ドイツの植物生態学者と縁がある。自分では日本に居たときに所属していた研究室が森林水文学系の研究室であったために、植物生理学とか生態学をやっているという意識がなかった。だから学部と修士とで、自分がやっていることが植物生理生態であるということを認識できていなかったし、そこに焦点を定めていなかった。最近は複数の研究室を経験して、森林水文学からの呪縛から解き放たれた、というか、新たなる視点を獲得できたような気になっている。
ある時期Stuttgartというところに1ヶ月ほど、滞在していた。そこで、宿がなかったので人に聞きまくって得られた宿がなんと、Schimper財団と銘打った von H. Walterが創設した財団から提供された宿だったのである。そこはかつてWalterとその妻(彼女も研究者)と生活していた家で、彼らの遺言で死後大学に提供されたものであった。Walterが彼が多大なる影響を受けた師であるSchimperの名をとって財団を作り家を大学に提供したものである。地階には彼の本のコレクションが無造作に置いてあり、だれでも自由に閲覧できるようになっていた。数冊日本の本や雑誌もあった。日本の植生地図やらである。沼田真先生と交流があったようだった。
大変良い家で、同居人にも恵まれ、毎日楽しかった。

ここ3年の間経験したことと、それまでに経験したことが積み重なって私の頭もずいぶんと学際的になってきて、自分は物質循環屋ではあるが、植物生理生態学を主眼とした研究をしていきたいというアイデンテティを再確認できた。